暗いと怖くて、明るいと眩しい。幼児のような駄々をこねる私は、いつも恋人に愛想を尽かされる。
「眠るのが怖いの」
そう言えばすぐさま手をつないでくれるのは、せいぜい付き合いはじめから最初の数ヶ月が関の山だ。「大丈夫だよ」が「大丈夫だってば」に変わり、半年後には「面倒くせぇな」になる。まぁ、そんなものだ。
どんなに心血を注いでも変えられない現実に直面すると、人はそこから目を逸らす。もしくは、相手が抱える問題点を軽視することで、己の心を保とうとする。「変えられない」を「変える気がない」に自動変換し、相手の努力不足であると認識する。そのほうがきっと楽なのだろう。「何もできない自分」も、「変えられない現実」も、そのままを受け止めるのは、思いのほか難しいらしい。
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