書くことは、呼吸をすること。
ー碧月はるーHaru Aotsuki
海のことば、空のいろ

【皮を脱ぐ】

透明度の高い海を見ると、故郷を思い出す。忌まわしい記憶より、美しい景色を懐かしむ時間が増えた。こんな日がくるなんて、若い頃には想像もつかなかった。なんだかんだ、生きてみるものだ。

この夏は、あまりにも色々なことがあった。木々の緑と同じように、色も香りも濃い夏が、駆け足で過ぎていく。日が落ちる時間が早まり、朝晩の風も変わった。突如やってきた秋に追いやられるように、夏が幕を下ろしはじめている。

ABOUT ME
碧月はる
エッセイスト/ライター。PHPスペシャルにエッセイを寄稿。『DRESS』『BadCats Weekly』等連載多数。その他メディア、noteにてコラム、インタビュー記事、小説を執筆。書くことは呼吸をすること。海と珈琲と二人の息子を愛しています。