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必ず、『大丈夫』になる日が来るから
HSC(ひといちばい敏感な子)の子育て

HSCの三割は刺激探求型~息子の子育てを通して

先日、HSC(ひといちばい敏感な子)についての記事を公開しました。

HSCには二種類のタイプが存在します。HSCのうち30%の子どもが、好奇心が強いタイプの外交的な性格を持ち合わせていると言われています。刺激探求型とも言われます。

敏感なのに外交的って?矛盾してない?そう思われる方もいるかもしれません。しかし、人間はみな一人一人違います。まさに十人十色です。敏感さの中にも積極性を兼ね備えた子どもがいても、何ら不思議はありません。
何を隠そう、私の息子もこのタイプ。五人に一人のHSCである上に、その中でも三割の刺激探求型。なかなかのレアキャラです。(笑)

今日は、そんな息子の育児を通して私が感じたこと、改善してみたことなどをエッセイ風に綴ろうと思います。肩の力を抜いて、お茶のお供にでも読んで頂ければ幸いです。

刺激大好き!好奇心爆発!やりたくなったら止まらない!!

見出しに全てを詰め込んでしまった感がありますが……まさに、こんな感じの息子です。本当に好奇心の塊で、アクセル全開、ブレーキはどこいった?!という日常を小学生低学年くらいまで思う存分味わいました。(笑)

水溜まりには躊躇なくダイブ!木登りは、てっぺんまでいかなきゃ気が済まない!走りたくなったら突然走り出す!この虫を捕まえると決めたら二時間でも三時間でも追い回す!もう……いくら体力があっても持ちません。

しかし、途中でそれを無理矢理やめさせようとすると大爆発を起こします。癇癪玉が破裂したかのような、怒りと悲しみの嵐。その時の彼の決め台詞はこうでした。

『お母さんのせいで全部ダメになっちゃった!!』

そしてひっくり返って大泣きです。苦笑
そんな息子を何度、米袋を抱えるように抱き上げて無理矢理引きずって帰ったことか……。気分はまるでラグビー選手。しかし息子はボールではないのでもちろん大暴れ。落とさないように必死に力を入れて、宥めたり怒ったりしながら家路に着く。自宅に着く頃には親子共々へとへとで、涙の跡を頬に張り付けながらウトウトする息子の顔を見ては、もっと良い対応があったのではないか……と自己嫌悪に陥る毎日でした。

HSC(ひといちばい敏感な子)の特徴、共感能力の高さゆえの苦悩

これはもう、実際にHSCを育てていらっしゃる親御さんたちは痛いほど感じている部分ではないでしょうか。

人の気持ちがよく分かる子は世の中にたくさんいます。しかし、HSCのそれは深さが全く違います。相手の話を聞いただけで、自分が同じ経験をしたかのような感覚に陥ってしまう。(疑似体験とも言います)これにより、辛いことも嬉しいことも人の何倍もの強さで自分の中に取り込むので、負のエネルギーを使う話や映像を見てしまうと極度に消耗してしまうのです。

息子は、ニュースが苦手でした。何の気なしに付けているニュースからは、毎日凄惨な事件や事故の情報が流れ込んできます。
その中でも息子が取り分け過敏な反応を示したのは、『児童虐待のニュース』の時でした。耳を塞ぎ、目を瞑り、一切の情報を遮断するかのように身を固くしている息子。まだ幼稚園にも入る前の子どもが、何故こんなにも情報を取り込み過敏な反応を示すのか。当時の私にはHSCの知識が無かった為、自分の性格が遺伝して考え過ぎるところがあるのだろう……くらいに考えていました。息子の辛さを、本当の意味では理解してやれていなかったのです。

しかし、ある日のこと。虐待のニュースが流れてきた時に、息子が耳を塞いでいないことに気が付きました。私は思わず、息子に『大丈夫?』と問いかけました。耳を塞いでいない代わりに、瞳が虚ろになっていたからです。息子は、こう答えました。

『大丈夫だよ。だって、これはほんとのことじゃないから。』

え……?

思わずそう聞き返すと、さらに息子はこう続けました。

『これはね、ほんとのお母さんがしたことじゃないんだよ。お母さんのお面をかぶった、鬼がやったことなんだよ。だからね、悪いのは鬼なんだよ。だって、ほんとのお母さんがこんなひどいことするわけないんだから。』

息子が4歳の時のことです。

この日の夕飯はハンバーグでした。息子の大好物です。息子は、食べませんでした。この日ニュースで報道されていたお子さんは、食事を与えてもらえぬまま、お腹を空かせたまま亡くなりました。息子は、自分のハンバーグをその子に食べさせたかったのかもしれません。

息子に合った子育てをしたい!~子育ての根本的な見直し

息子がハンバーグを一口も食べず、泣きながら眠った夜。私は、このままではいけないと思いました。自分の生い立ちが複雑だったこともあり、そのせいでこんなに息子が不安定なのかとそれまでは考えていましたが、それだけではない!という思いが強く込み上げてきました。

息子には、息子だからこそ見えている世界がある。世間の物差しに無理矢理息子を合わせようとすることは、彼の心を殺すことになる。

HSCの知識など全くなかった当時の私ですが、本能的に危機感を抱きました。息子が、身体を張って私に伝えてくれたのです。

『お母さん、ぼく苦しい』

『お母さん、ぼくこのままじゃ壊れちゃうよ』

そう言われた気がしました。

よそはよそ、うちはうち

まず、他の家庭や他の子どもと比べることをやめました。簡単にそうできたわけではありません。どうしても目に入ると比べてしまう。だからまずは、無責任なアドバイスを繰り返してくるママ友とは距離を置きました。

遊びや買い物の誘いも極力断り、自分のスタンスを貫く姿勢を見せるようにしました。例えば『甘やかし』と言われた場合、『うちはうちのやり方があるから』と笑顔で答えるようにしました。その時のママ友のびっくりしたような顔は、今でもはっきり覚えています。それからは、あまり口出しはされなくなりました。しかし、影であれこれ言われていることにも気付いていました。そんな人たちの言葉に今まで振り回されていたのかと思うと、自分に腹が立ちました。

その後、とても幸運なことにお互い分かり合える友人に出会うことが出来ました。その友人のお子さんも、HSCだったのです。

今までの辛さや悩みを打ち明けながら、二人で泣きました。周囲の目、心ない言葉、決めつけ、押し付け。何もかもが同じでした。その時、二人で心に決めたのです。

『自分たちの子どもを見よう』と。

よそはよそ。うちはうちです。比べて改善が得られるならともかく、悪循環に陥るくらいなら比べない方がよほどマシです。

息子には息子の良さがある。息子に合った子育てを、のびのびとしたい。

この時、ようやく子育てのスタートラインに立てたような気がしました。

ニュースの時間はNHKのアニメ一択

まず、ニュースを見るのをやめました。ニュースを知りたければ、新聞や携帯など幾らでも手段はあります。全てを受け止めて傷付き衰弱する息子に、わざわざ見せる必要なんてない。

ここでは、旦那とも大激突をしました。『過保護』だと。そんなんでこの先どうする!と。それでも私は考えを曲げませんでした。

年齢と共に、心も成長する。キャパシティだって広くなる。それを待ってあげることの何がいけないの?どうして今すぐ、容量オーバーにさせるような現実を押し付けなきゃいけないの?あなたはこの前の息子の姿を見ているのに、まだ分からないの?

訴えて訴えて、最終的には面倒くさそうに旦那が折れました。結果、息子は夕方の黄昏泣きや癇癪がおさまり、夜泣きも少し減りました。

『たかがニュース』
そう思う人もいれば、心がズタズタになる人もいます。今現在、息子はニュースを見られるようになりました。許せないニュースには、とても怒ります。先日の千葉県野田市の児童虐待のニュースでは、それはそれは凄まじい怒りでした。

『なんでだよ!なんで大人が守ってやらないんだよ!なんで大人なのに逃げるんだよ!なんで、くそみたいな親父んとこに返しちゃったんだよ!!なんで!?』

私も全く同じ気持ちでニュースを見ていました。息子の憤りは、全うなものだと感じました。

そうだね。おかしいね。子どもを守る為に大人がいるのにね。おかしいよね。

そう頷きながら、息子の背中を撫でました。共感の言葉と共にこちらが寄り添い、怒りや悲しみを出しきったら、息子は落ち着きを取り戻せるようになりました。

人は変わります。子どもは日々確実に成長します。
許容量を超えるものを無理矢理詰め込むより、時期をじっと待つ。
それが親である私たちに出来る、最も大切なことなのかもしれません。

お出掛けの時は準備を万全に!可能であれば空いている場所がベター

刺激探求型HSCならではの好奇心は、人により程度は違います。うちの息子は前述した通り、それこそ留まるところを知らない好奇心の塊みたいな子どもでした。

着替えは最低3組、靴下のみならず靴の替えも必ず持つようにしました。水溜まりを見つけると飛び込まずにはいられない性格なのに、濡れている靴を履き続けることは泣くほど嫌いだったからです。(笑)

そして、帰り時間は家を出る前にしっかり口に出して確認して、息子の見ている前で携帯のアラームをセットしました。アラームが鳴ったら帰ります。これを毎回、繰り返しました。それでも必ず息子は『帰りたくない』とグズりました。そこで、スヌーズ機能を使って二回目までは待つ、という仕組みにしました。最初からそのぶんの時間を計算して一度目のアラームが鳴るようにセットする。そうすると私の方も余裕を持って待てるし、息子も『待ってもらえた』満足感があるようで、わりとすんなり聞き入れることが出来るようになりました。

空いている場所がお薦めなのは、単純に私自身が、比べることが少なくて済むことが楽だったからです。人目を気にしないで自分の育児を貫ける人ならどんな場所でも大丈夫とは思いますが、そういう人ばかりではありません。せっかくの外遊びなのに、無駄なアドバイスや人目に振り回されて自分の子育てが出来なくなるのは本末転倒です。

コミュニケーションは、いずれ子どもたちが自分の力で身に付けていきます。ぶつかったり泣いたり落ち込んだりしながらも、その中で試行錯誤して学ぶのです。

ママ友の中に入らなきゃ。友達を作ってあげなきゃ。そんなふうにお母さん、お父さんが気負う必要は全くないのです。

まとめ~HSC(ひといちばい敏感な子)刺激探求型の子育て

敏感さや強い共感能力の中にも、ひといちばい強い好奇心を兼ね備えた子どもがいるということが、お分かり頂けたかと思います。

お子さんは一人一人違うため、育て方のポイントも様々です。私が試したやり方が全く合わないお子さんもいらっしゃることでしょう。
私が一番お伝えしたいのは、そこなのです。みんな、違います。一括り、十把一からげではないのです。

お子さん自身、そして親御さん自身とまずは向き合うこと。周りのアドバイスは、取捨選択する自由があります。全て鵜呑みにして従う必要はないのです。

楽しいことを楽しむ。
辛いときは泣く。
溢れそうな時は吐き出す。

そんな当たり前のことを大切にしていくことが、お子さんの心と共に、親御さんの心を楽にするヒントになるかもしれませんね。

noteにて育児エッセイをまとめたマガジン、「君たちとのあれこれ」を公開しています。他にも日々の気付き、過去の原体験から伝えられることを綴っています。よろしければこちらも合わせて読んで頂けたらとても嬉しいです。

ABOUT ME
はる
書くことは呼吸をすること。 虐待サバイバー。自身の経験を元に子育ての悩みや虐待抑止に繋がる発信をしています。一人でも多くの子ども、親御さんの笑顔が増えますように。 noteではエッセイ、小説を執筆中。小説は原体験が軸。