書くことは、呼吸をすること。
ー碧月はるーHaru Aotsuki
作品紹介

「海のことば、空のいろ」~定期購読マガジン

noteにて定期購読マガジンを連載しています。
こちらのマガジンでは少し深めのエッセイ、創作エピソード、創作小説をランダムで月に4本お届けしています。
料金は月500円とさせて頂いております。記事単体での購入も可能ですが、1記事200円に設定してありますので、月に3記事以上読まれる場合は定期購読の方がお得です。

海の傍で生きてきた私のなかにあるたくさんの”いろ”と”ことば”たち。それらをより自然体で紡いでいけたら。
定期購読マガジン「海のことば、空のいろ」より抜粋。

私はネット媒体のなかで、匿名で顔も出さずに書いているだけの一般人です。虐待サバイバーとして、虐待に苦しむ子どもを一人でも多く減らしたい。過去虐待を受けてきたことによる傷口の痛みに未だ蹲る人たちに、私自身がかけてもらえて救われた言葉を伝えたい。その一心で書いています。
しかし、原体験の重さ、そのことにより我が子に降りかかるであろう苦難を考えると、やはり本名で顔を出して書いていくことは出来ません。そして、そのことにずっとジレンマを感じてもいました。

書くだけでは変えられないものがある。

その事実をニュース等で突き付けられるたびに、他にできることはないのだろうかとずっと考えていました。実際に児童虐待防止のために活動されている方々が、世の中にはたくさんいます。そういう人たちの支援をするにはどうすればいいのか。散々悩んだ結果、顔も名前も出せない私にできることは、それらの団体へ寄付をすることの一択でした。

これまで300記事以上の文章をすべて無料で書き続けてきました。しかし、定期購読マガジンで有料記事を書くことで収益を上げ、その収益の※一部を児童虐待防止の活動をしている「オレンジリボン」に寄付することを決めました。
(※マガジン開始当初は、収益の半分を寄付しておりました。しかしその後、筆者の生活環境が大きく変化したことにより、収益の半分を寄付することが難しくなってしまったため、現在は収益の一部を寄付にあてさせていただいております。)

人は誰しも、虐げられるために生まれてきたんじゃない。健やかに育まれるために生まれてくるのです。

その大前提が壊れた家庭で育ったからといって、未来を諦めてほしくない。自身を粗末にする生き方をしないでほしいです。
私にできることはそんなに多くないかもしれない。でも、ゼロではないはずです。そしてそれは私だけに言える話ではなく、誰しもに言えることです。小さな取り組みだとしても、小さな一歩がたくさん集まれば、それはいつしか大きな一歩になります。できないことを嘆くのではなく、できることをしたい。どんなに小さな一歩だとしても、踏み出して歩みを進めていきたい。そう思います。

私には世界を変える力はない。でも、書くことはできます。

私の身体は一つしかなく、一度にたくさんの人の元に駆け付けることはできません。二本しかない腕では、一人ずつしか抱きしめることができない。でも、文章ならどんなに遠くに住んでいる人にも届けることができます。国境すらも越えて、想いを伝えることができます。
私は私にできることをします。できないことを数えてばかりいないで、やれることを全力でやります。

大人の手が子どもよりも大きいのは、子どもを守るためです。傷付けるためじゃない。

文章で伝えていく。そこで得た収益を、現場で奮闘してくれている方々に届ける。それが今の私にできる精一杯です。この一歩が、いつしか大きな一歩になる日がくることを願いながら、これからも書き続けていきます。

定期購読マガジン以外にも、育児エッセイを中心に日常の風景や思考の欠片を不定期で綴っています。そちらも合わせて読んで頂けると、とても嬉しいです。

ABOUT ME
碧月はる
エッセイスト/ライター。PHPスペシャルにエッセイを寄稿。『DRESS』『BadCats Weekly』等連載多数。その他メディア、noteにてコラム、インタビュー記事、小説を執筆。書くことは呼吸をすること。海と珈琲と二人の息子を愛しています。