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アダルトチルドレンからの再生

不安型愛着障害~『どうして分かってくれないの?!』が口癖の人たちへ

最初は上手くやれるのに、相手との距離感が縮まってくるにつれて関係が不安定になる。もしくは壊れる。このような問題で悩んでいる人は、案外多いのではないでしょうか。

多かれ少なかれ人は親しくなった相手には期待してしまうものだし、甘えも出てきます。でもその度合いが明らかに通常とは異なる場合、それは『愛着障害』が引き起こしている問題なのかもしれません。

愛着障害とは何なのか。原因は?解決策はあるのか?今日は数種類あるパターンの中の一つ、『不安型愛着障害』についてお話していきます。

不安型愛着障害の原因は?~幼少期の親との関係に起因

この世に産まれてきて一番最初にコミュニケーションを取る相手は『親』です。その親との関係が不安定だった場合、子どもは『人との関係は不安定で安心に値しないものだ』と学習します。これが『愛着障害』です。

その認識を引きずったまま大人になると、周囲との人間関係(特に親しい間柄の人との関係)でつまずくことが多々出てきます。

愛着障害には幾つかのパターンがあり、『不安型』『回避型』『未解決型』等様々です。

この中の『不安型愛着障害』に陥りやすい方は、幼少期に親から極端な接し方をされてきた場合が多いと言われています。可愛がられる時はベタベタと極端なほど甘やかす。かと思えば急に冷たく突き放されたり、激しく拒絶されたりする。この落差が大きければ大きいほど、心の傷は深く深刻なものとなっていきます。

例)『可愛い、大好き』とハグされたり、欲しいものを何でも買い与えられる。しかしその数時間後には、『大嫌い!お前なんか要らない!』と怒鳴られ殴られる、もしくは無視される。

さっきまで笑っていたのに、急に怒り出す。かと思えば泣き喚き塞ぎこむ。このような親の元で育ってきた場合、人の機嫌や空気を極端に読んでしまう能力が嫌が否でも身に付きます。そうすることが、自分の身を守る一番の近道であることを本能的に悟るのです。

親の機嫌を損ねないこと。それが生きる上での最優先事項となります。

そのような環境に長期間身を置くことで、愛情は不安定なもの、信頼してはいけないもの、常に緊張状態でアンテナを張っていなければいけないもの、という認識が出来上がってしまうのです。

不安型愛着障害の特徴

不安型愛着障害の方は、幾つかの特徴があります。

  • 他人の目が極端に気になる
  • 自己嫌悪に陥ることがよくある
  • 負の感情を引きずりやすい
  • 人の機嫌が悪いと自分のせいと思い込む
  • 感情のコントロールが苦手である
  • 不満を抱えやすい

特に後半二つの『感情コントロールが苦手』『不満を抱えやすい』については、身近な人間に対して強まる傾向にあります。間柄が深くなればなるほどに、怒りや悲しみを爆発させて相手を困らせてしまうことがよくあります。また相手への期待が高まり過ぎて、一つでも期待通りにならないことがあると必要以上に不満を抱えてぶつけてしまったりもします。これにより、夫婦間や恋人関係、親友と呼べるほどの友人関係を呆気なく壊してしまうことも珍しくありません。

周囲から人が離れてしまう。分かって欲しい人に理解されない。これはとても苦しいことです。

『どうして誰も分かってくれないの?』

思わずそう叫んでしまいたくなりますよね。

しかし、相手からは呆れたような表情や疲れ果てた溜息が返ってくる。それに対してまた怒りが爆発して更に関係は悪化する。まさに悪循環です。

負のスパイラルを抜け出すにはどうしたらいいのか。それをこれからお話していきます。

不安型愛着障害の抜け出し方~自分の『セーフティゾーン(安全基地)』をつくる

幼少期に親から信頼に足る愛情を受け取っている人は、心に特定の基地を持っています。それが、セーフティゾーン。『安全基地』と言われるものです。辛いことや悲しいことがあっても、ここがある人は一度避難して自分を癒し、温めることが出来ます。

しかし、セーフティゾーンを持っていない人は傷ついても逃げ込む場所がありません。これでは傷は増える一方です。そして、我慢に我慢を重ねて爆発してしまう。最終的に自分も周りも一番傷付く方法を、知らず知らずのうちに取ってしまっているのです。

親から与えられなかったら諦めるしかないのか?答えは『否』です。なければ創ればいいのです。それこそ親が羨ましがるほどの安全基地を、あなたは創り出すことが出来ます。何故なら理想とする安全基地の土台を一番持っているのは、そこが無い故の苦しみを知っているあなただからです。

セーフティゾーン(安全基地)に必要なものは?~安全、共感、応答、安定

安全基地には、必ず必要なものが四つあります。それが、『安全』『共感』『応答』『安定』です。一つ一つを詳しく見ていきましょう。

  • 『安全』

当然のことですが、身の安全を保証されない場所は『安全基地』とは言えません。暴力はもちろんのこと、暴言やあまりに強い叱責等、人格否定に繋がるような発言も安全を脅かす要因となります。

  • 『共感』

気持ちに寄り添い共感してもらえることは、心の平穏に繋がります。逆に批判や叱責ばかりでは心は元気を無くし、自信と共に自分らしさも失ってしまいます。

  • 『応答』

言葉の通り、反応を返してもらうことです。例えば何か発言をした時に無視されたら悲しいですよね?反対に相槌を打ってもらえたり、何かしらの反応を見せてもらえるのは嬉しいものです。

  • 『安定』

個人的には、最も重要な部分は此処だと思っています。アップダウンが少ない状態。安定した状態というのは、誰にとっても心の安らぎをもたらします。今日は晴れなの?雨なの?雷なの?そんなジグザグ天気が日に何度も何度もやってきたら溜まったものではありませんよね。

安定していることは、『安全基地』には必要不可欠なのです。

セーフティゾーン(安全基地)は何処につくるのか?

これに関しては様々な説があります。身近な人間との間で互いに安全基地となれるのが理想的であると言われていますが、こればかりはその人の状況によって判断が別れるところです。

例えば配偶者との間に安全基地を創ろうと思ったとしても、相手によってはそれが不可能なケースもあります。不可能な相手に求め続けそれが叶わないということが繰り返されると、フラストレーションは溜まる一方です。それは逆に状況を悪化させてしまいます。

これは私の個人的な意見になるのですが、自分の中に安全基地を創るのが最も理想的だと考えます。何故なら、その方が相手の状態や状況に左右されることがないからです。時間はかかりますが、自分の思考のクセを知り改善を繰り返すことで確実に変わることが出来ます。

自分の中にセーフティゾーン(安全基地)をつくる方法

これは、自身を内観する力を養うことが最短の道です。

まずは自分の思考のクセを理解しましょう。どういう時にイライラするのか、どういう時に感情が暴発するのか、それを紙などに書き出してみてください。日記をつけてみるのも良いかもしれません。そして、その時の自分の感情をなるべく客観的に振り返ってみましょう。

相手への期待が裏切られた時や、相手が思い通りに動いてくれない時。そういった場合に感情が激しく動いているようならば、一度立ち止まって自分に問いかけてみてください。

それは、本当にあなたの目の前にいる人に望んでいることですか?

幼い頃の自分が親に求めていた感情ではないですか?親にぶつけたくてもぶつけられなかった気持ちを、目の前の人に代わりにぶつけていませんか?

ここを内観するのは、とても苦しいことです。認めたくない、見たくないものを突き付けられたような気持ちになると思います。

私もそうでした。ここを認めたくなくて、随分と遠回りをしたものです。しかしだからこそ、苦しんでいるならば向き合って欲しい。逃げることが必要なこともたくさんあります。しかし、逃げ続けることは根本的な問題を解決することには繋がりません。

痛くても苦しくても向き合うこと。それが時に必要なこともある。私は、そう思っています。

『あなたを変えられるのは、あなただけです。他人を変えることは不可能なように、あなたを変えることも他人には出来ないのです。』

昔、カウンセリングを受けていた時に医師に言われた言葉です。この言葉の重みと意味を理解するのに、私は十年以上も費やしてしまいました。向き合うのが怖くて逃げ続けた十年。今思えば本当に勿体ないことをしたと思います。

せっかく教えてくれた人がいたのに。大切なヒントを投げ掛けてくれた人がいたのに。私はそれを受け取ろうとせず、閉ざし続けていたのです。

このブログをたまたまでも読んでくださった方には、私と同じ遠回りはして欲しくありません。自分の中の問題と、他者との問題。ここを切り離して考えることが出来るようになると、必要以上の期待を相手にかけては落胆したり、完璧を求め過ぎたりすることが無くなります。

自分と人は違う人間だ。

そんな当たり前のことが、すとんと腑に落ちる瞬間が必ず訪れます。

相手の行動や言動に執着しなくなると、そこに振り回されていた心は自由になります。人の機嫌にいちいち左右されることもなくなります。あなたは、あなた自身の心の平穏を創り出すことが出来るのです。

不安型愛着障害から、セーフティゾーン(安全基地)を提供できる人へ

自分の心をコントロール出来るようになり、自分の中に安全基地が出来上がった時。自分自身が生きやすくなるのはもちろんのこと、他の人の『安全基地』となることも可能になります。それは、あなたに想像以上の喜びと幸せを与えてくれるものです。

安全基地は、『依存先』とは全く異なるものです。いつでも安心して出ていける。また、いつでも安心して帰ってこれる。束縛とは無縁の場所なのです。

もしもあなたにお子さんがおられるならば、今一度振り返ってみてください。

安全、共感、応答を、安定して与えること。それが愛着障害の連鎖を防ぎ、あなた自身のセーフティゾーンを広げる手助けもしてくれます。

自身を内観して、少しずつ軌道修正をする。はじめから完璧を求めなくてもいいのです。少しずつ、少しずつ。それが積み重なり、いつしか必ず強固な安全基地が築かれることでしょう。

『変わりたい』

その想いが、大切な一歩となります。このブログがそんなあなたの背中をそっと押すことの出来る存在になれたなら、これ以上の喜びはありません。